クラウドファンディングの市場規模とWithコロナでの今後の展望について

2014年ごろから話題となり、ここ2~3年で認知が確立したクラウドファンディング。登場から現在にかけて、どのような市場規模の変化を辿ってきたのかについて、矢野経済研究所や日本クラウドファンディング協会の資料をもとに解説していきます。

また2020年から、経済の多方面へ影響を与えるであろう新型コロナウイルスに関しても触れ、”Withコロナ時代”のクラウドファンディング市場の展望についてもあわせてお伝えしていきます。

そもそもクラウドファンディングは6種類ある

市場規模の考察に入る前に、まずクラウドファンディングの種類について整理しておきます。

日本でクラウドファンディングというと、各プロジェクトの支援者からお金を集め、リターンとして商品やグッズを返す『CAMPFIRE』などのモデルが有名です。ただこれは「購入型クラウドファンディング」という「クラウドファンディングの種類のひとつ」に過ぎないのです。

クラウドファンディングは「非投資型」と「投資型」に分けられる

クラウドファンディングは大きく分けて、投資的な側面をもつ「投資型」と、リターンを得ることが目的ではない「非投資型」に分類されます。

【非投資型】
・購入型クラウドファンディング
・寄付型クラウドファンディング

【投資型】
・融資型(貸付型)クラウドファンディング(別名:ソーシャルレンディング)
・株式投資型クラウドファンディング
・不動産投資型クラウドファンディング
・ファンド型クラウドファンディング

先ほど触れた『CAMPFIRE』などのモデルは非投資型の「購入型クラウドファンディング」にあたります。ほかにも非投資型には、原則的にリターンの発生しない「寄付型クラウドファンディング」があります。

一方、投資型には、以下の4種類があります。
・ソーシャルレンディングなどの投資家から集めたお金を事業者が借り手企業へ融資し、返済利息をリターンとして投資家に分配する「融資型クラウドファンディング」
・2015年5月の法改正から登場した、非上場企業に融資し、未公開株をリターンとして投資家に分配する「株式型クラウドファンディング」
投資家から集めたお金をもとに事業者が不動産を取得し、不動産で得た収益をリターンとして投資家に分配する「不動産投資クラウドファンディング」
投資家から集めたお金を事業主に融資し、売上高に応じてリターンを分配する「ファンド型クラウドファンディング」

このように、購入型クラウドファンディングの知名度が高い日本ですが、本来的にはクラウドファンディングは主に投資型・非投資型の計6種類に分けられるのです。

名称

カテゴリ

概要

リターン

代表的なサービス

1. 購入型クラウドファンディング

非投資型

プロジェクトの応援者からお金を集め、リターンとして商品やグッズを返すモデル

商品・グッズ・サービスなど

・CAMPFIRE

・Makuake

・READYFOR

2. 寄付型クラウドファンディング

非投資型

応援したいプロジェクトに寄付をするモデル

原則なし

・Crowd Bank

・OwnersBook

・funds

3. 融資型(貸付)クラウドファンディング

投資型

投資家から出資してもらい事業会社が融資希望企業へ融資。返済利息の一部を投資家に分配するモデル。

金銭(返済時の利息の一部)

・オーナーズブック

・SBIソーシャルレンディング

・クラウドバンク

・maneo

・クラウドクレジット(海外)

4. 株式投資型クラウドファンディング

投資型

投資家から出資してもらい事業会社が融資希望企業へ融資。未上場ベンチャーなどの株を投資家へ分配するモデル

未上場株

・FUNDINNO

・Unicorn

・GoAngel

・angelbank

5. 不特法型(不動産投資型)クラウドファンディング

投資型

投資家から出資してもらい事業会社が不動産を取得・運営等行ない、不動産から得た収益を投資家へ分配するモデル

金銭(不動産の賃料収入・売却から得た収益の一部)

・CREAL
・PARTNERS Funding
・Rimple
・FANTAS funding

6. ファンド型クラウドファンディング

投資型

投資家から出資してもらい事業会社が融資希望企業へ融資。売上高の一部を投資家に分配するモデル

売上高の一部、または商品やサービス

・Sony Bank GATE

1. クラウドファンディングの市場規模

ここからは、クラウドファンディングの市場規模の変化について解説していきます。

考察にあたって参考にさせていただいたのは、矢野経済研究所が発表した2018年までの資料と、2019年分データも含まれている日本クラウドファンディング協会の資料です。それではお伝えしていきます。

※参考1. 矢野経済研究所「2017年度の国内クラウドファンディング市場規模は新規プロジェクト支援ベースで前年度比127.5%増の1,700億円」

※参考2. 一般社団法人 日本クラウドファンディング協会「クラウドファンディング市場調査報告書」(※データは本調査報告書内掲載企業のみを対象)

1-1. 2014年から3年で約7.7倍の「2,000億円」規模へ拡大

出典:矢野経済研究所

矢野経済研究所のデータによると、クラウドファンディングが認知され始めた2014年頃から2018年頃までは毎年市場規模が拡大しています。

2015年に金融商品取引法が改正されたことにより、投資型クラウドファンディングが世間に普及し、一気に規模が拡大する運びとなりました。

1-2. 融資型・株式投資型クラウドファンディングは前年比減

出典:日本クラウドファンディング協会
※日本クラウドファンディング協会調査報告書内記載の企業データのみの数値。
※金額は実際に募集に対して投資された金額であり、抽選式などで落選した金額は含まない。

融資型クラウドファンディング(ソーシャルレンディング)の支援額(募集額)の減少が、市場規模の鈍化に大きな影響を与えていることがわかります。


出典:日本クラウドファンディング協会
※日本クラウドファンディング協会調査報告書内記載の企業データのみの数値。
※日本証券業協会ウェブサイト 「株式投資型クラウドファンディングの統計情報・取扱状況」
*株式および新株予約権による成立案件の金額を集計

1-3. 購入型・不特法型クラウドファンディングはWithコロナでも順調に成長


出典:日本クラウドファンディング協会
※日本クラウドファンディング協会調査報告書内記載の企業データのみの数値。

購入型クラウドファンディングが好調な理由としては、コロナによって新商品の開発ニーズが高まり、これまでオンラインマーケティングを展開していなかった業種・店舗が進出した影響です。サポーターからの応援を募るかたちでプロジェクトの予算を確保するスタイルが、今後はより広がっていくものとみています。

出典:日本クラウドファンディング協会
※日本クラウドファンディング協会調査報告書内記載の企業データのみの数値。

不特法とは、不動産特定共同事業法のことを指します。つまり、不動産投資型クラウドファンディングのことです。

不動産投資クラウドファンディングの人気の理由は、低リスクかつ安定した利回りにあります。

「超低金利時代」と言われている現代にも関わらず、業界平均で4~6%程度の利回りが期待でき、簡単にお金を増やすことができます。また不動産投資クラウドファンディングならではの仕組みがあるため、株式投資やFXよりもリスクが低く、1万円という少額からスタートできることから、初心者でも安心して始めることができます。
不動産投資クラウドファンディングならではの「投資家に有利な仕組み」を詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
【結論】優先劣後は投資家に有利!元本割れリスクが激減!

このように効率的に資産運用でき、若い世代から年配の方まで誰もが手軽に簡単に始められる資産運用の手段として今注目を集めています。この数年で初心者向けをはじめ、様々なタイプの投資型クラウドファンディングプラットフォームが誕生しています。

2. コロナ禍はクラウドファンディング市場全体を後押しする見込み

新型コロナウイルス感染拡大に伴う経済への影響は、クラウドファンディング市場拡大に関しては、大きく後押しする力になると考えられます。

融資型クラウドファンディング(ソーシャルレンディング)や未上場ベンチャー企業を中心とした株式型クラウドファンディングなどでは、「コロナの影響で直近の資金繰りをどうにかしたい!という企業」による融資希望が増加すると予想できます。

3.【結論】クラウドファンディング市場は今後市場拡大していく

クラウドファンディング市場は、今後市場拡大していく見込みです。

その大きな理由が「コロナ禍による中小企業の資金不足」です。コロナ禍によって、融資型クラウドファンディング(ソーシャルレンディング)を利用してお金を借りたい企業が増えることが予想されるため、全体の市場規模はますます拡大していくと考えられます。

まとめ

この記事で抑えておきたいポイントは、以下の点です。

  • そもそもクラウドファンディングには「購入型」「寄付型」「融資型」「株式型」「不動産投資型」「ファンド型」の6種類がある
  • クラウドファンディング全体の市場規模は2018年まで毎年拡大
  • コロナ禍を受けて、クラウドファンディングサービズ全体のニーズは高まる予想で、市場も準じて拡大する見込み

本記事では、クラウドファンディング市場全体のここ数年の動き、そしてコロナ禍を受けて今後市場はどうなるのかについて説明してきました。

依然として、コロナウイルスの感染拡大がどれくらいで収束するのか読めない状況ですが、日本市場全体が不景気に向かうのは明らか。

その流れでクラウドファンディングを活用した融資ニーズは増加するものと予想されます。一方で、融資先の返済能力も慎重に疑う必要はあるかと思いますので、十分吟味して投資を行うようにしましょう。

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