クラウドファンディングの種類別にかかる税金と確定申告の方法を解説

クラウドファンディングプロジェクトを立ち上げて成功し、プロジェクトが無事終わったあとにはやることが残っています。

それが税金に関する処理です。

クラウドファンディングで調達した資金は、プロジェクトの種類に応じた税金がかかります。

そこでこの記事では、クラウドファンディングの種類とそれぞれにかかる税金を解説します。

 また最後に、クラウドファンディング投資で収益を得たときの確定申告の流れもお伝えします。

1.クラウドファンディングの特徴と種類

 同じ「クラウドファンディング」でも、その特徴によって税金の取り扱いは異なります。

その分け方は大きく3つで、

(1)「融資型」「不動産投資型」クラウドファンディング
(2)「株式投資型」クラウドファンディング
(3)「寄付型」「購入型」クラウドファンディング

です。

税金について詳しく解説する前に、まずは、それぞれのクラウドファンディングの特徴をお伝えします。

1-1.「融資型」「不動産投資型」クラウドファンディング

Fintennaより引用 

融資型クラウドファンディングは、「ソーシャルレンディング」とも呼ばれます。

ファンドが投資家からお金を集めて、そのお金を貸して運用する仕組みです。

投資家のメリットは、ほかの金融商品と同じように利息を受け取れることです。

不動産投資型クラウドファンディングは、複数の投資家がお金を出し合って、不動産に投資するものです。

投資家はファンドにそれぞれ出資し、不動産の運用はファンド運営会社が行います。

「融資型」「不動産投資型」この2つのクラウドファンディングの場合、出資者は、お金を出す側の立場になります。

1-2.「株式投資型」クラウドファンディング

株式投資型クラウドファンディングは、非上場企業の株式に投資できる仕組みです。

日本で一般的に取引される株式は上場企業です。多額の資金を持っているような投資家でなければ、非上場企業に投資する機会はありません。

しかし、2015年に株式投資型クラウドファンディングの制度が認められ、一般個人の方でも非上場企業の株式を取得できるようになりました。
ただし、投資家1人あたりの出資上限額は50万円です。

また、株式投資型クラウドファンディングで取得した株式は、上場企業のように頻繁に売買されるものではないので、換金性はほとんどありません。

投資家にとっての利益は、投資先企業からの配当が主になります。もちろん投資した企業が上場したときには、持っている株式を通常の株式と同じように売却できます。

上場すれば株価は大きく上がることがほとんどなので、そのときの売却益を目的に投資する方もいます。

1-3.【非投資型】「寄付型」「購入型」クラウドファンディング

寄付型クラウドファンディングは、クラウドファンディングを利用して寄付できる・寄付を受けられる仕組みです。

寄付を求めている人や団体、特定のプロジェクトに直接寄付できます。寄付したお金の使いみちが明確なので、寄付する側も気持ちよくお金を出せます。
また、プロジェクトによっては寄附金控除を受けられる場合もあり、節税を目的に支援される方もいます。

購入型クラウドファンディングは、製品を開発するための資金を、”支援したいと思ってくれる人”から集められる仕組みです。

支援者は出資するかわりに、製品そのものやプロジェクト立案者が指定したお返しを受け取ります。

通常の商品の売買と近い形のため、「購入型」と言われます。

また、クラウドファンディングプロジェクトの多くが、この購入型です。

2.クラウドファンディング投資にかかる税金の種類

それでは、実際にクラウドファンディング投資にかかる税金をお伝えします。

・【出資を受ける側】であれば【所得税】または【法人税
・【出資する側】であれば分配金に対して【所得税

が課税されます。

2-1.「融資型」「不動産投資型」にかかる税金

融資型クラウドファンディング、不動投資型クラウドファンディングでは、出資者となることがほとんどです。
そのため、税金についても出資する側についてのみお伝えします。

まず、出資したお金そのものに税金はかかりません。

税金が発生するのは、その後に受け取る分配金や売却益で利益が出た場合です。

「融資型」「不動産投資型」の分配金は雑所得として処理します。

ただし、不動産投資型クラウドファンディングでは、任意組合型か匿名組合型かの契約により処理の扱いが異なりますので注意しておきましょう。

不動産投資型クラウドファンディング

任意組合型 → 不動産所得
匿名組合型 → 雑所得

雑所得の場合は、総合課税(各種の所得を合算して税金を計算する制度)の対象となり、分配金に対しては、通常20.42%の所得税等が源泉徴収されます。
しかし、クラウドファンディングでの分配金については、分配されたときにはすでに源泉徴収されています。そのため、原則、分配金からさらに所得税を納める必要はありません。

また、分配金も合わせて給与所得以外の収入が20万円以下であれば、確定申告の義務はありません。

ただし、分配金で徴収されているのは所得税のみで、住民税の申告は別に必要なので注意してください。 

2-2.「株式投資型」にかかる税金

株式投資型クラウドファンディングについても、出資者となることがほとんどです。

そして、出資先企業からの配当は雑所得となり、所得税・住民税の課税対象です。
ただし、融資型・不動産投資型と同じく受け取る配当金はすでに源泉徴収されています。そのため、確定申告が不要な条件を満たしていれば、所得税を改めて納める必要はありません。

また、出資先企業が上場したときに株式を売却して利益を得た場合、譲渡所得になります。
譲渡所得は分離課税です。確定申告も原則必要です。

売却益に対して所得税(15%)・住民税(5%)が課税されます。

また令和19年12月31日までは、復興特別所得税として【所得税額の2.1%(0.315%)】が合わせてかかります。
国税庁より

したがって、売却益に対しては【20.31%】の税金がかかる計算になります。

2-3.【非投資型】「寄付型」「購入型」にかかる税金

クラウドファンディングのうち、「非投資型」となるのは「購入型」と「寄付型」の2つです。

この2つは、個人の方でも「プロジェクト企画者」「出資者」のどちら側にもなる可能性があります。

そのため、立場の違いに分けて解説します。

2-3-1. プロジェクト企画者にかかる税金

プロジェクト企画者にかかる税金は、以下の通りです。

・購入型  個人の場合は【所得税】
       法人の場合は【法人税】

・寄付型
  個人の場合は贈与税】
       法人の場合は【法人税】

【購入型の場合】
購入型の場合、個人・法人を問わず、プロジェクトの内容が事業に含まれる範囲のものであれば「事業所得」、そうでなければ「雑所得」とみなされます。

このとき、プロジェクトの企画・広報・実行にかかった費用は経費にできます。そのため、課税対象となる金額は、集めた資金から諸費用を除いた金額です。

また、プロジェクトのリターンの内容が出資を受けた金額に比べて著しく低い場合には、贈与とみなされて、贈与税の課税対象となる可能性があります。

たとえば、1000万円の出資を受けるのに、お返しとして渡すものの価値が合計10万円程度の場合です。

このような明らかに出資額とリターンの額が見合ってない場合には注意が必要です。 

次に寄付型についてです。

【寄付型の場合】
寄付型
では、個人が個人から受け取った場合、贈与とみなされます
したがって、基礎控除額の110万円を超えた場合に贈与税がかかります。

個人が法人から受け取った場合、一時所得とみなされます。
一時所得の金額は集めた金額そのままではありません。
次のような計算によって、一時所得の金額は算出されます。

総収入金額 – 収入を得るために支出した金額-特別控除額(最高50万円)

この「収入を得るために支出した金額」はプロジェクトの広告費や、クラウドファンディングサイトの利用手数料も含まれます。

また、税額については、一時所得の金額の2分の1に相当する金額を、給与所得などの他の所得と合計して計算されます。
つまり、一時所得の金額50万円だった場合、その半分の25万円を他の所得と合算して、納税額を計算するということです。

そして、法人が、個人もしくは法人から受け取った場合、その金額は「受贈益」となります。

寄付型のプロジェクトの場合、寄付金控除があるため確定申告をすることで税金が安くなる場合があります。 

2-3-2.出資者にかかる税金

購入型も寄付型も、出資者にかかる税金はありません。

購入型で受け取るリターンも、出資した金額で「購入したモノ」と同じ扱いになり、「贈与された」ということにはならないからです。

また寄付型の場合、税金がかかるどころか、寄附金控除の対象となって、確定申告することで還付金を受け取れる可能性があります。

ただし、すべてのプロジェクトが当てはまるわけではありません。

そのため、寄附金の控除を受けたい場合、出資するために詳細を確認することが大切です。

そして、寄附金の控除は、

(1)所得控除となる寄附金控除
(2)税額控除となる寄附金特別控除

2つがあります。

寄附金が「特定寄附金」だった場合には、寄附金控除が適用されます。

そして、寄附金が、政党もしくは政治資金団体に対する寄附金、また認定NPO法人もしくは公益財団法人などに対する寄付金だった場合には、(1)(2)のどちらか有利な方を選ぶことができます。

寄附金控除額の計算式は次のとおりです。

(その年中に支出した特定寄附金の合計額)-2000円

ただし、控除額(所得控除額)は所得金額の40%相当額が限度です。

寄付金特別控除額の計算式は次のとおりです。

その年中に支出した寄附金の合計額-2000円

ただし、特別控除額(税額控除額)は、所得税額の25%までとなっています。

寄附金の控除の適用を受けるには確定申告が必須ですので、忘れずに手続きしてください。

3.クラウドファンディング投資で確定申告する方法

最後に、クラウドファンディング投資で確定申告する流れをお伝えします。

クラウドファンディング投資では、所得が20万円以上となる場合に確定申告が必要です。

また、20万円未満でも複数のプロジェクトに出資していた場合、損益通算して確定申告することで還付を受けられる可能性があります。

確定申告の流れは、大きくは次の5ステップです。

(1)所得額を確認する
(2)必要書類を準備する
(3)確定申告書を作成する
(4)確定申告書を提出する
(5)納税する(還付を受ける)

3-1.所得額を確認する

まずは、クラウドファンディング投資で得た収益を確認します。

配当金の額や源泉徴収額が記載された支払調書の送付は義務化されているわけではありませんが、多くのクラウドファンディング事業者では送付しています。

また、サービス事業者によってはWEBページで確認できるようになっているところもあるので、自宅に届かない場合は問い合わせしてみてください。

3-2.必要書類を準備する

クラウドファンディングで得た配当は雑所得です。

給与所得と合わせた総合課税となるので、確定申告では源泉徴収票も必要になります。

2020年の申告分から源泉徴収票を添付する必要はなくなったので、源泉徴収票に記載されているとおりに記入するだけです。

また、ふるさと納税をしている場合や、医療費控除を受ける場合など、それぞれ必要な書類も準備します。

3-3.確定申告書を作成する

確定申告書は、国税庁ホームページの「確定申告書作成コーナー」から画面の案内に従って作成できます。

 画面の案内だけでは難しい場合、税務署で直接相談しながら作成することも可能です。

3-4.確定申告書を提出する

作成した確定申告書は、

・e-Tax
・郵送

・受付に直接

のいずれかの方法で提出します。

 e-Taxでの提出は、事前登録が必要なので注意してください。

3-5.納税する(還付を受ける)

最後に、申告した税額に基づいて所定の方法で納税します。

納税方法は複数あり、自分で選ぶことができるので、好みの方法で行ってください。

また、還付を受ける場合、確定申告書に記載した口座に振り込まれます。

還付金の入金は確定申告書を提出して約1ヶ月~1ヶ月半後です。 

まとめ

クラウドファンディング投資で受け取った収益について、申告漏れがあったり、そもそも申告を忘れていたりすると、加算税や延滞税といったペナルティが課せられます。

本来納めるべき税額以上の金額を納めなければならなくなるので、しっかりと確定申告するようにしましょう。

そして、確定申告についてわからないところがあれば、税理士などの専門家や税務署の担当者に相談しながら進めるようにしてください。

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